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This page is a beginner-friendly note about JavaScript vs TypeScript. It focuses on what changes in daily coding and when it feels natural to migrate, without turning it into a textbook.

「どこで切り替える?」JavaScriptとTypeScriptの違いと移行タイミング

JavaScriptからTypeScriptへ移るときの「違い」と「移行する自然なタイミング」を、迷いにくい判断軸で整理します。

まず結論:TypeScriptは“別言語”というより、JavaScriptに安全装置を足す

最初に、よく混ざるイメージを整えます。

ざっくり言うと
  • JavaScript:書けば動く(自由)。ただし間違いに気づくのが遅れやすい
  • TypeScript:実行前に間違いを見つけやすい(安全)。その分、型(ルール)を書く手間が増える
ポイント

TypeScriptは、JavaScriptを捨てるものではなく、JavaScriptの上に「型(データの設計図)」を載せる仕組みです。最終的にブラウザで動くのはJavaScriptなので、基礎としてJavaScriptの理解はそのまま重要です。

何が違う?(“型”が入ると、何が変わるか)

差を「見た目」ではなく「作業の変化」で見ると、理解が安定します。

違い1:間違いを“実行前”に止められる

JavaScriptは「動いてしまう」ケースが多く、気づくのが遅れがちです。

function add(a, b) {
    return a + b;
}

add(1, "2"); // "12"(エラーにならない)

TypeScriptは「この関数は数値を受け取る」などの前提を書けるので、ズレを早い段階で発見しやすくなります。

function add(a: number, b: number): number {
    return a + b;
}

add(1, "2"); // ❌ コンパイル時にエラー
違い2:コードが“説明書”として残る

引数や戻り値の形が明示されると、未来の自分や他人が迷いにくくなります。

type User = { id: number; name: string };

function fetchUser(id: number): Promise<User> {
    // ...
    return Promise.resolve({ id, name: "Sample" });
}

「何を渡す?何が返る?」がコードから読み取れるため、コメントの負担も減ります(もちろん、意図のコメントは別途必要な場面があります)。

違い3:エディタ(VSCode)の補完が強くなる

型があると、補完・ジャンプ・リネーム・影響範囲の推定が精密になります。結果として、変更が怖くなくなり、リファクタリングもやりやすくなります。

JavaScriptのメリット・デメリット(小さく作ると強い)

まずはJavaScriptが得意な場面をはっきりさせると、TypeScriptの導入判断もブレにくくなります。

メリット
  • 書いたらすぐ動く(試作・検証が速い)
  • 環境が軽い(ちょっとしたスクリプトに向く)
  • 覚える要素が少ない(最初の学習が進みやすい)
デメリット
  • 実行するまで間違いに気づきにくい(特にデータの形が変わったとき)
  • 規模が増えるほど「この値は何?」が増える
  • 変更が怖くなり、保守コストが上がりやすい

TypeScriptのメリット・デメリット(長く育てると強い)

TypeScriptの強さは「書き始め」より「変更が積み重なった後」に効いてきます。

メリット
  • バグを“事前に”減らしやすい(実行前チェック)
  • コードの意図が伝わりやすい(引数・戻り値・データ構造)
  • 変更・リファクタリングがしやすい(影響範囲が見える)
  • チーム開発でのすれ違いを減らしやすい
デメリット(つまずきポイント)
  • 最初は書く量が増える(型を書く)
  • “型エラー”の意味が分からないとストレスになる
  • ビルド(変換)という手順が入る

ただし、導入のしかたを間違えなければ、これらはかなり緩和できます(後述します)。

移行が“自然”になりやすい学習タイミング(おすすめ3地点)

「TypeScriptを勉強してからTypeScriptを使う」より、困りはじめた瞬間に最小導入するほうが自然に入ります。

タイミング1:関数が増え始めたとき(引数と戻り値が多い)
  • 同じ処理を何度も呼ぶ
  • 引数が増えて「何を渡すべきか」迷う
  • 戻り値が複雑で、呼び出し側で扱いに迷う

この段階は、型注釈(number/stringなど)だけでも効果が出やすいです。

タイミング2:オブジェクトの形が複雑になったとき(API・DB・JSON)
  • 「このプロパティ名、合ってる?」が増える
  • ネストが深くて見落とす
  • データの形が変わってバグる

ここはTypeScriptの“本領”です。type / interfaceでデータ構造を固定すると、誤字や抜けに気づけます。

タイミング3:コンポーネント分割が進んだとき(React/Vue)
  • propsが増えて、受け渡しが不安になる
  • イベント(emit)やコールバックが増える
  • 状態管理が入って、データが複数箇所を回る

この段階は「型がないと不安」が出やすく、導入の納得感が高いです。

早すぎる導入で起きやすい失敗(“おまじない化”を避ける)

TypeScriptを導入しても、次の状態だと苦しくなりやすいです。

避けたい状態
  • 変数・配列・オブジェクトの扱いがまだ曖昧
  • 関数の引数/戻り値の意味が説明できない
  • エラーを“消すこと”が目的になっている
対策(導入のしかた)

最初から高度な型(ジェネリクスや条件型など)を狙わず、まずは「型注釈」と「typeで形を固定」だけに絞るのが安全です。

移行の進め方(おすすめの最小ステップ)

「全部TypeScriptにする」ではなく、段階的に“効く場所”から入れると失敗しにくいです。

ステップ1:まずは拡張子だけ(.js → .ts)

ファイルをTypeScriptとして扱えるようにします(環境が必要ですが、移行の入口として分かりやすいです)。

ステップ2:関数の引数・戻り値にだけ型をつける
function formatPrice(value: number): string {
    return value.toLocaleString("ja-JP");
}

まずはここだけで、ミスの多い部分(渡す値)を固められます。

ステップ3:API/DB/JSONの“形”をtypeで固定する
type Article = {
    id: number;
    title: string;
    tags: string[];
};

「どんなデータが来る前提か」を明示することで、呼び出し側の安全性が上がります。

ステップ4:フレームワーク(Vue/React)に型を持ち込む

propsやイベントなど、壊れやすい境界に型を置くと効果が大きいです。ここまで来ると「TypeScriptが便利」が体で分かりやすくなります。

ミニチェック:今は移行どき?(判断を速くする)

YESが増えるほど、TypeScriptの導入メリットが大きい状態です。

移行メリットが出やすいサイン
  • 同じような関数が増え、「引数の意味」を見失う
  • JSON/DB/APIのデータ形でバグが起きたことがある
  • コンポーネントが増え、propsやイベントが複雑になってきた
  • リファクタリングしたいが、壊すのが怖い
まだJavaScriptでよさそうなサイン
  • 単発の検証コードが中心
  • ファイル数が少なく、全体を頭で把握できる
  • 変更が少なく、長期保守の予定がない

よくある質問(FAQ)

Q. TypeScriptにしたら、JavaScriptの基礎は不要になりますか?

A. 不要にはなりません。TypeScriptは最終的にJavaScriptに変換して動くため、JavaScriptの理解(配列操作、非同期、スコープなど)は土台として残ります。

Q. いきなり全部TypeScriptに置き換えるべきですか?

A. いきなり全部はおすすめしません。まずは「関数の境界(引数・戻り値)」や「データの形(API/JSON)」など、効果が出やすい場所から最小導入するのが安全です。

Q. 型が難しくて挫折しそうです。どこまで覚えればいいですか?

A. 最初は number / string / boolean / array / object と、type(またはinterface)で形を固定できれば十分です。高度な型は必要になったときに学ぶ方が自然です。

Q. Vue/Reactをやるなら、TypeScriptは必須ですか?

A. 必須ではありません。ただ、コンポーネントが増えるほどpropsやイベントの受け渡しが増え、TypeScriptが“効く”場面が増えます。小さく始めて、育ってきたら導入するのが自然です。